自分の目で宝石を見極め、時にはリスクを背負いながらも、自分の判断によって買付ける。当たり前のようなことですが、日本にはこういうバイヤーのいるお店は少ないのです。
 通常は、すでに製品に加工された状態で仕入れが行われます。メーカーが全国展開できるように作る製品には、店の代表作となるほどの個性はなく、それを仕入れし、プライスをつけて売ることが宝石店の役割となってしまっています。
ジュエルツチヤでは、宝石に魅せられ、逸品を知りつくしたプロが宝石をルース(裸石)の状態で厳選し、タイのバンコックから直輸入しています。バンコックは、東南アジア一帯で産出される宝石が取引される場所です。また、ヨーロッパのブランド宝飾店の商品加工を手がける工房が多数あるため、世界中からあらゆる宝石が集まります。
しかしながら、その全てが良質なものとは限りません。通常、宝石はロットで取引されています。1キャラット前後のものを買い付ける場合の1ロットは、約30〜40ピース、0.5キャラットのもので1ロット約200ピースも入っています。そのうちの90パーセント以上はインクルージョン(内包物)が強く、除きたくなる品質です。わずかな量の良質な宝石を買うために、そこそこの品質の宝石も大量に買わなければなりません。
ジュエルツチヤのバイヤーには、ロットの中から良質なものだけをピックアップして買うことが許されています。それは、長年の係わり合いの中で信頼関係を築いてきた証です。
そのバイヤーが買付けの時に最も気を使うことは、宝石の色の見極めです。タイの日光には紫外線が多く含まれている為、日本で見るのに比べて色が綺麗に見えすぎてしまうのです。そこには技術だけではなく、経験による直感力も必要とされます。
良質な宝石の買付けには、当然その稀少性にみ合ったリスクが伴います。儲けのことばかり考えている人には難しいでしょう。宝石に対する強い思いがなければ続けていくことはできないのです。 |